第51章

軍団の人員の大半が魔獣の捕獲に駆り出され、副軍団長まで同行している――そんな状況でも、軍団長である公爵だけは留守を守らねばならない。おかげでアリシアは、思いのほかすんなり父に会えた。

アリシアが差し出したのは、どう見ても書きたての資料だった。目を通した公爵の表情は、さきほどの執事と驚くほどよく似ている。

それでも公爵は、淡々と受け取った。

「ノートの後ろに挟んであったので、うっかり抜けました」

アリシアがそう言い訳をすると、公爵は「そうか」とだけ返し、それ以上は追及しなかった。

本当は、公爵も執事も気づいている。娘が大きく変わったことに。

だが、魔法による“付帯効果”が、彼らの思...

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